エムドゲインゲルについて

エムドゲインとはスウェーデンで幼弱な豚の歯の芽(歯胚と言います。)から抽出したタンパク質を利用してます。エムドゲインは商品名で、エナメルマトリックスデリバティブこれが一般名です。
スウェーデンのビオラ社で開発生産され世界40カ国以上で使用されておりますし、莫大な数の論文が世界中で発表されております。そしてこれは日本の厚生労働省の承認がなされておりますが、健康保険診療の適応にはなっておりません。
歯周病における従来型の治療は歯石や病的セメント質(主に感染性バイオフィルム)などの炎症を惹起させる細菌性感染原因物質を除去し、治癒を促すものでしたが、すでに破壊された歯周組織の再生は難しいと考えられていました。技術と科学の発達によってGTR法やエムドゲインが開発され、破壊された歯周組織を再生させることができるようなりました。

エムドゲインは、世界中で使用されている再生療法の中で最も信頼できる生体材料です。
厚生労働省の認可もされており、世界だけでなく、日本の学会でもその有用性がエビデンスとして報告されています。

使用手順

局所麻酔

伝達麻酔や浸潤麻酔を用いて手術部位の麻酔を行います。
血管収縮作用のある局所麻酔薬は歯間乳頭部や辺縁歯肉に注入しないで下さい。

歯周外科手術による歯肉弁の作成

歯肉溝内切開を行います。
必要に応じて歯槽粘膜内に達する縦切開を1~2カ所入れます。


歯根面の清掃

歯槽骨の骨内欠損部に付着した肉芽組織を除去し、歯根面に付いた歯垢や歯石を十分に除去します。

エッチング

歯根表面に残存するスミア層を短時間のエッチング処理 (例えばリン酸、クエン酸を用いて最大15秒間) により除去することが望ましい。

洗浄

滅菌生理食塩液で十分に洗浄する。

エムドゲイン®ゲル塗布

洗浄後直ちに欠損底部を起点にし、露出した歯根面全体を完全に覆うように、ゲル状のエムドゲイン®ゲルを塗布します。

縫合

広範囲の安定した縫合に適した縫合材を用いて縫合を行う。縫合時に本品が溢れ出てくることがあるが問題はありません。縫合時、歯間部を歯肉弁で完全に覆い、隙間なく緊密に密着させることが不可欠です。その時本品塗布後の創面は、歯肉弁により出来る限り被覆します。

エムドゲイン®ゲルのビフォー&アフター

症例1
歯牙の動揺が著しく、骨を回復させた後に歯を冠(ブリッジ:かぶせもの)にて
連結固定して保存が可能となった症例

症例2
天然歯の歯周組織の骨を回復させ、隣在歯にインプラントを埋入した症例
写真にある変色歯は、歯根破折及び虫歯で歯質が感染崩壊しており、 歯周外科にて確定診断を行い、抜歯しております。

エムドゲイン®ゲル作用機序の仮説

術後、エムドゲイン®ゲルたん白質は凝集し、歯根表面で不溶性のマトリックスを形成します欠損部位が凝集物で満たされ、間葉系細胞は損傷部位に遊走しエムドゲイン®ゲルのたん白質に接着します

エムドゲイン®ゲル処置後の歯根表面に沿って、セメント質と歯根膜を伴う新付着が形成されますエムドゲイン®ゲルによる上皮細胞の増殖抑制活性は、上皮の根尖方向への埋入を防ぎます

新生歯槽骨は、骨欠損の周辺ではなくエムドゲイン®ゲルで処理した歯根表面で開始され、その後、欠損部分を満たす形で形成されます

機能的な新付着はこの様な過程で完成します

このように新生歯槽骨によって回復していきます。

Emdogain®Gelの有用性

Heijl氏1997年の研究
矯正治療で抜歯予定の歯に歯周病を発症させ、
Flap ope後エムドゲイン塗布した群とコントロール群(Flap opeのみ)の同一口腔内における比較試験。
半年~1年後に抜歯後組織切片にてその再生量を調べた。
結果:コントロール群に比べ、
セメント質の再生70%
骨の再生65%
付着に関し、エムドゲインを塗布した群はコントロール群に比べ有意に回復した。

Emdogain®Gelの適応症
ポケット6㎜以上、骨欠損深さ4㎜幅2㎜以上の垂直性の骨欠損 歯肉治癒促進 歯槽骨吸収防止
根分岐部病変2度まで

エムドゲインの安全性

現在、全世界39カ国において、100万症例に使用されていますが、エムドゲイン/エムドゲインゲルに直接起因した不具合報告は1例も報告されておりません。

Dr阿部ヒロからのコメント

エムドゲインは、世界中で使用されている再生療法の中で最も信頼できる生体材料です。
厚生労働省の認可もされており、世界だけでなく、日本の学会でもその有用性がエビデンスとして報告されています。
私はエムドゲインも含め、再生療法を年間100症例以上の実績を積んでおり日々検証しております。
また正しいトレーニングを受け施行しておりますのでご安心ください。

Dr阿部の実績

歯周病インプラント専門医アドバイザー
(日本歯周病学会会員 日本臨床歯周病学会会員、 弘岡ジャーナルクラブ会員)
・歯周病手術100例以上/年間
・歯周再生療法50例/年間

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